第20章 女に勝てない

「こいつを半殺しにする役は、俺にやらせてください」

松田毅がすっと前へ出た。

「工藤達央は俺の兄貴を殴ってケガさせた。俺はロイヤルホテルの人間じゃない。だから俺が、兄貴の仇を取る」

これまで松田毅が工藤達央に手を出さなかったのは、松田大河から『あいつはヤバい、関わるな』と釘を刺されていたからだ。

だが今は違う。

工藤達央がただの役立たずだと分かった瞬間、松田毅の中から躊躇が消えた。

それに――兄貴が役立たずにやられたなどと広まれば、松田家は一生笑いものだ。

松田毅は腹を括った。工藤達央を潰し、失った面子を取り戻す。ついでに松田大河の仇も討つ。

「……あなた、何者ですか」

ロ...

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